女性に多い尿もれ
尿もれ(尿失禁)とは、自分が排尿したいという意志がなくても勝手に尿がもれてしまう症状をいいます。尿もれの悩みがあってもなかなか人に相談できるものではありませんので、あまり悩んでいらっしゃる方が多くないのではと考えがちですが、特に女性にはこの尿もれの悩みは多く、40歳以降の女性の3人に1人は尿もれの経験があるとされるほど一般的な症状です。
また、尿の悩みと聞けば中高年の悩みというイメージがあるのですが、この尿もれに関しては中高年だけではなく、若い方でも尿もれの悩みを抱えていらっしゃる方が大勢いらっしゃいます。
この尿もれの悩みのせめてもの救いは、直接的に死に至るような病気ではないことといえるのですが、悩んでいらっしゃる当人にとっては切実な問題であることが多く、「尿もれを気にして外出できない」「好きなスポーツができなくなった」「トイレを常に気にしている必要がある」などと、著しく生活の質を落とす原因になってしまいます。
尿もれには、主に以下のようなものがあります
*腹圧性尿失禁
せきやくしゃみ、ある程度の重さの物を抱えた時、スポーツで走った時など、腹圧がかかった時に意図せず尿が漏れてしまいます。この症状を抱えるのはほとんどが女性であるという特徴もあります。特に40歳代の女性に多くみられます。
*切迫性尿失禁
尿意を感じて排尿するためトイレまで行きますが、それまで我慢ができなくて尿もれを起こしてしまう状態です。冷たい水を手で感じる。あるいは水の音を聞いただけで尿もれをしてしまうこともあります。
*溢流性尿失禁(いつりゅうせいにょうしっきん)
上記の2つは十分に尿をためることができず尿が漏れてしまうものですが、この溢流性尿失禁は尿がたまり過ぎて、だらだらと漏れてしまう状態です。たとえば、前立腺肥大症で尿道に通過障害があれば残尿が膀胱に残ります。この残尿がたまり過ぎて尿が漏れだすような状態です。