過動性膀胱の対策
頻尿の原因になり得るほかの病気(膀胱炎や前立腺肥大症など)がなく、単に膀胱が小さい場合も頻尿の原因になる場合があります。小さなころから尿意を我慢することがほとんどなかったりすると、癖という言い方はよい表現ではないかもしれませんが、頻尿になってしまう可能性があります。また、頻尿や尿もれを気にし過ぎて、少しでも尿意があればトイレに早く行くことを繰り返すことでも同様です。
膀胱は例えるとゴム風船のような臓器で、ふくらんだり縮んだりして尿をためたり尿を出したりしています。通常200ccほど尿が膀胱にたまると尿意を感じ、それからある程度我慢(という意識がなくても)することができます。1日の尿の量は合計すると1Lから1.5Lほどですから、300ccたまったところで排尿するとすると、1日に4回から5回ほどのおしっこをするということになるわけですが、200ccほどたまったところでおしっこをするのが普通になってくると、膀胱が小さくなってしまう原因になります。
そうして膀胱が小さくなってしまい、ためる量が少なくなってしまうと、1時間に一度程度排尿をする必要が生じます。つまり頻尿とよばれる状態になってしまいます。これは昼間の排尿ばかりではなく、寝ている間に何度も起きておしっこをする夜間頻尿の原因にもつながります。
この場合の対策としては、膀胱訓練を行うことです。ただし、この方法は上記のような状態、過活動膀胱による頻尿では有効ですが、何かしらの病気が原因の頻尿や前立腺肥大症などでは逆効果になってしまいますので注意してください。
膀胱訓練は、読んで字の如く膀胱を訓練することで、尿をためにくくなった膀胱をためやすくする訓練です。
具体的には尿意を感じても少しずつ排尿するまでの時間を長くする訓練方法です。時間を長くするとはいっても、極端に長い時間ではなく、5~10分程度を目安に行います。それも毎回行うのではなく、1日に数回(2~3回)から始めるようにしましょう。こうして少しずつ訓練を積み重ねることにより、尿をためる量が徐々に増え、頻尿の改善につながります。