加齢による夜間頻尿の原因
中高年になれば大抵の方が尿の悩みを抱えることになってしまいます。中高年男性の頻尿の症状では夜間頻尿が極一般的な悩みですが、悩む方が増加するのにはきちんとした理由があります。
夜間頻尿とは、夜間にする排尿回数が増えることではなく、寝ている間の排尿回数が増えることです。通常、就寝している間に2回以上の排尿があれば夜間頻尿といわれます。
年齢を重ねるごとに夜間頻尿になる方が増えてくるのですが、ひとつの理由というのは抗利尿ホルモン(ADH:Antidiuretic hormone)の分泌が加齢によって変化するために起こるものです。人間の体というのはとてもよくできていて、夜間はこの抗利尿ホルモンが働いて、おしっこの量が増えないよう、おしっこの量を少なくして睡眠を優先させます。
しかし、就寝している間も体の老廃物は排出されていますから、結果的に尿自体は濃くなります。朝起きて最初のおしっこが濃いのはこのためです。
ところが体に長い間水分が留まることになると、今度は加齢により無理がきかなくなった血管などに負担をかけることになってしまいます。眠れないほどの夜間頻尿であればもちろん問題ですが、就寝時のおしっこが多少増えた程度であれば、そういった意味で考えると体にとってはよいことなのです。