頻尿とはどんな状態をいうのか
頻尿とはトイレが近いこと、つまり排尿の回数が通常の状態より多いことを指しています。具体的には起きている間に8回以上の排尿、就寝している間に2回以上の排尿をするようになると夜間頻尿であると考えます。といっても、大抵の人は夜間にトイレに起きることはありませんね。
頻尿は昼間の排尿の回数が多いことを指し(昼間頻尿といわれます)、夜間の頻尿である夜間頻尿とは区別して考えます。これらは3つの種類に別れます。昼間の頻尿が単独で起こるケースと夜間頻尿が単独で起こるケース、また、その両方が起こるケースがあります。
排尿の回数と時間
昼間の頻尿を時間単位で考えてみると、目安として2時間に一回以上の排尿が頻尿ということになります。睡眠時間が8時間とすると、起きている時間というのは16時間ということになりますが、起きている時間の16時間を排尿の回数8回で割ると、2時間に一回の排尿になります。
1時間~2時間に一回程度であれば、日常生活に支障をきたすことはありませんが、1時間に2回以上の排尿になると、仕事中でも勉強中でも尿意を度々感じ短時間で何度も中断する必要が生じたり、トイレが設置されていない交通機関を使っての移動もままならない状態にもなり、日常生活に支障をきたすようになってしまいます。
これは夜間頻尿でも同じことです。夜間頻尿になると、睡眠が阻害されたり、寝ぼけたままトイレに行くということになりますから、思わぬ怪我の心配もでてきてしまいます。
一日の排尿回数は4〜6回が平均的な回数ですが、これにはもちろん体質なども関係し個人差があります。大切なのは普段の回数より多くなった場合や少なくなった場合に注意する事です。
頻尿に突然なってしまった場合の多くは膀胱炎や尿道炎が原因ですが、尿崩症や糖尿病あるいはガンでも頻尿は起こりますから、簡単に考え病気を見過ごさな事が大切です。
尿量が多いのは多尿
尿量が多くなる事を多尿といいますが、多尿で頻尿の場合と一回の量は少ない場合があります。一日を通しての排尿の合計量は、1L~1.5L。多くて2Lが正常な範囲です。これが3Lを超え異常に多くなると多尿といえます。
排尿する合計の量が多くなるわけですから、自ずとトイレの回数も増えます。排尿する量が多いから回数が増え頻尿になっているのか、それとも一回の量が少なくて回数が多いのかこの区別が難しくなります。そのため病院では蓄尿(尿をためる)を行って診断が下されます。
多尿の原因になるのは、体内の水分を保持する機能が低下してしまう「尿崩症」が多く見られる原因です。喉の渇きを感じ水分を多く摂る症状が現れます。また、糖尿病も同じく多尿になる原因のひとつです。糖尿病では血液中の糖の濃度が高くなるため、脳は水分を摂って濃度を低くしようとします。そのため水分を多く摂るようになり、結果的に多尿(頻尿)になってしまいます。
日頃から頻尿であるという場合はさほど心配はないと思いますが、突然頻尿になってしまった、最近トイレが異常に近いなど自分の体に問題を感じたら思わぬ疾患が隠れている場合もないとはいえません。放置せずに安心するためにも病院で診察を受ける事が重要です。